新体道空手

このページでは新体道空手について紹介します。

体の使い方
　　　
　　　新体道空手では、殊更に上半身や腕・手の筋力に頼るような動
　作、下半身の大腿や下腿・足の筋力に頼るような動作を通常はし
　ません（特別な場合を除く）。従って、筋肉を固めるとか筋肉を
　締めるというような動きはしません。従ってまた、特別に筋肉を
　鍛えるというような稽古もありません。また、拳で巻藁を突くこ
　とによって拳を鍛えるというような稽古もありませんし、その鍛
　えた拳で物を打撃し「破壊」するようなこともしません。
　　新体道空手では、「全身の力」を使いながら動いていきます。
　その全身の力が淀みなく湧出し、その力が「統一」されるように
　稽古していきます。そして、その統一された力が「貫通」してい
　くように稽古します。従って、新体道空手の正拳は「中高一本拳
　」です。新体道空手では、打撃による「破壊力」ではなく打突に
　よる「貫通力」を重視します。

基本技
　　　
　　　立ち方は、「正立」・「騎馬立」・「不動立（前屈立）」・「
　後屈立」を主に稽古します。突き技は、「中段突き」・「中段本
　突き」・「中段逆突き」の上段・下段展開を主に稽古します。受
　け技は、「下段払い」・「中段腕受け」・「上段揚受け」・「底
　掌受け」を、打ち技は「鉄鎚打ち」を主として稽古します。蹴り技は、
　　「前蹴り」・「横蹴り」・「回し蹴り」の上段・中断・下段展開を主として稽古し
　　ます。

型
　　
　　大極、平安、鉄騎、観空、抜塞、三戦、天掌、岩鶴、半月などを稽古します。

組手
　　　
　　　攻め手と受け手に分けて稽古します（古武道でいう型稽古）。
　すなわち、攻め手は攻撃技を何本か繰り出し、受け手は一方的に
　受け技のみをやります。そうして、次に攻め手と受け手を交代し
　て同じように稽古していきます。一本一本稽古していく場合と、
　連続して稽古する場合があります。
　　突き技対受け技の組手には、地の型、天の型、連続攻撃などが
　あります。
　　突き技対投げ技には、天地切り降ろし、怒涛、花弁返し、内無
　双、外無双、出足払い、巻き込み、大外刈り、小内刈り、荒磯、
　陣太鼓、一本背負い落とし、山嵐、水車、大平原などがあります。

新体道空手考
　　
　　　
　　以下は、新体道空手について天空会代表榊原忠房の私見を述べ
　たものです。新体道空手を理解する一助にしていただければ幸い
　です。

　　新体道空手とは、突いたり蹴ったりする体技をとおして新体道
　を稽古し・学ぶことです。
　　このことは新体道の他の武術も同じです。例えば、棒術は棒を
　かいして、剣術は剣をかいして新体道を稽古し・学ぶのです。
　　すなわち、新体道空手を稽古する・学ぶということは、武道の
　極意を学ぶと同時に瞑想法や健康法などの全ての能力開発法を学
　ぶことなのです。前に突きだしたその拳は神や真理・愛を求める
　拳であると同時に、一撃で相手を刺し通す殺人拳であります。前
　に蹴りだしたその脚は理想を求め人々を愛する脚であると同時に
　、一撃必殺の蹴りでもあります。

　　なぜ「世界に愛と平和をもたらす」新体道が、「殺人拳」や「
　必殺拳」を稽古し・学ばなければならないのか疑問に思う方もい
　るでしょう。愛と平和をいくら学んだとて本当の愛と平和は理解
　できません。死や戦争があるからこそ、「本当の愛とは何か・平
　和とはなにか」を考えます。新体道空手も同じです。神や真理・
　道を求めるからこそ、死に直面するような方法も学ばなければな
　らないのです。死に直面するからこそ、人は「本当に生きるため
　にはどうすればよいか」を考えます。生と死には一切の妥協があ
　りません。ですから、「神や真理・道・愛」ということと「一撃
　必殺」ということはコインの裏表、一体なのです。

　　稽古していく場合に重要なことは、神や真理・愛ということと
　一撃必殺ということの両面を絶えず意識しながら稽古するという
　ことです。ややもするとどちらか一方に偏りがちになりますが、
　それでは不十分なのです。「今日の稽古は楽しかった、面白かっ
　た」と思うと同時に、今日の自分の技は一撃必殺だったかどうか
　を絶えず考えることが大切です。目前の相手に一発入れた、入れ
　られなかったというこはほとんど重要なことではないのです。神
　・真理・愛と一撃必殺に照らし合わせてどうだったか、というこ
　とが重要なのです。

　　これは私の稽古上の主観ですが、神・真理・道・愛を求めて突
　いていったほうが、速くて強く重い突きが出せるように思います
　。なぜならば、それらは遠い遠いズーと先の方にあるものだから
　です。その結果、一撃必殺が達成されるように思います。
　　ですから、新体道空手では他人と比較して「強い・弱い」は
　意味がないのです。「強い」から「神・真理」に近づいた、
　「一撃必殺」の突きだったとは言えないのです。そういう意味
　で試合もありません。
　　新体道空手であるのは自分自身のみです。比較するとすれば、
　「昨日の自分より今日の自分はどうだったのか」、「明日の自分
　はどうあればよいのか」だけです。

　　ですから新体道空手は誰でもはじめることができます。子供も
　大人も、男も女も、若者も高齢者も誰でもやることができます。

　　このホームページを見た皆さん、是非一緒に新体道空手をやっ
　てみませんか。

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